「自分が我慢していることを
他人がすると腹が立つ」
骨折で入院していたとき同室のAさんが、Bさんのことが腹が立つ
と私に話しかけてきました。
Bさんは重度の糖尿病で検査と教育のために2週間の予定で入院し
てきました。検査の目的は、適正な食生活での血糖値の測定と、結
果から1日4回のインシュリン注射の量を決めることでした。
しかし、Bさんは入院初日から冷蔵庫やロッカーに大量の食料を隠
していて、血糖値が300以上に跳ね上がるほどの量を隠れて食べ
ていました。
本人はこっそり食べれば周りに分からないと思っていたのでしょう
が、しかし、同室のAさんにはいつ食べているかが言えるほどハッ
キリと分かっていました。
望ましい行為ではないけれど、自分には実害がないのに怒りを感
じているAさんの話を聞いてみると、Aさん自身も糖尿病患者であ
ることが分かりました。
Aさんのお父さんも糖尿病で、遺伝的に発症しやすい家系なので、
Aさんは健康診断で注意勧告を受けてから節制をして、効目の弱い
内服薬だけでインシュリン注射の世話にはならないようにしている
と話されました。
この話をお聞きしてAさんがBさんに感じた怒りの原因が分かりま
した。
人は自分が我慢していることを他の人がすると腹が立つものです。
自分自身に当てはめてみてください。ダイエットの最中に友人が
目の前でバクバク食べると腹が立つかもしれないし、勉強していて
遊ぶことを我慢しているときに兄弟が遊んでいると腹が立つのと同
じです。
この事に気づいたら自分が我慢していることに気づいて下さい。
そして我慢しているのには、あなたにとって何かメリットが有るは
ずです。我慢とメリット、あるいは別の方法を選択し直して下さい。
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